「求人票には”残業少なめ”って書いてあったのに、実際は毎日2時間のサービス残業だった」
看護師の転職で最も怖いのは、求人票と実態の乖離だ。看護の仕事は好きだけど、「この病院は無理」——そういう相談を看護師から受けることは本当に多い。
看護師は慢性的な人手不足の職種だから、求人自体はいくらでもある。2026年4月時点で看護師の有効求人倍率は2.34倍(厚労省調べ)。つまり、1人の看護師に対して2つ以上の求人がある状態。でも「求人がある」ことと「良い求人を見つけられる」ことはまったく別の話だ。
求人票だけでは「夜勤の実態」「人間関係」「有給の取得率」「残業代の支払い状況」は見えない。こうした情報を持っているのが、看護師専門の転職サイトだ。
この記事では、看護師向け転職サイトを5社に厳選して比較する。それぞれの特徴と使い方を、看護師の転職事情を踏まえて解説していく。
看護師転職サイトの選び方——3つのチェックポイント
チェック1: 求人数と対応エリア
看護師転職サイトの求人数は、サービスによって大きく異なる。大手サイトは10万件以上の求人を扱っている一方、地方特化型のサイトは数千件程度のこともある。
自分が転職したいエリアの求人が充実しているかは、最初に確認すべきポイント。「全国対応」と書いてあっても、実際には首都圏・関西圏の求人がほとんど——というサイトもあるので注意。
チェック2: アドバイザーの質——「看護師出身か」
看護師転職サイトのアドバイザー(担当者)の質は、サイトによってかなり差がある。「看護師としての勤務経験がある」アドバイザーがいるサイトだと、現場の悩みを理解してくれるから、的確なアドバイスがもらえる。
逆に、看護の現場を知らないアドバイザーだと、「残業が多い病院を紹介された」「夜勤の実態を把握していなかった」ということが起こりやすい。
チェック3: 「非公開求人」の質と量
看護師の好条件求人は、転職サイトに公開されないことが多い。「年収550万以上」「残業月10時間以下」「有給消化率80%以上」——こういう条件の求人は、応募が殺到するため非公開にしているケースが多い。
非公開求人の比率が高い転職サイトを選ぶと、公開求人だけでは見つからない好条件の案件にアクセスできる。
おすすめランキング5選
比較表
| 順位 | サイト名 | 求人数 | 非公開求人 | 対応エリア | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 看護roo! | 8万件+ | 約50% | 全国 | 看護師転職の王道。サポートが手厚い |
| 2 | レバウェル看護 | 14万件+ | 非公開 | 全国 | 求人数No.1。情報量が豊富 |
| 3 | マイナビ看護師 | 5万件+ | 約30% | 全国 | マイナビブランド。面接対策に強い |
| 4 | ナースではたらこ | 9万件+ | 約30% | 全国 | 「逆指名」制度がユニーク |
| 5 | ジョブメドレー看護 | 3万件+ | なし | 全国 | 自分で探すスカウト型。しつこい電話なし |
第1位: 看護roo! — 看護師転職の「定番中の定番」
看護roo!は、看護師の転職サイトとして最も知名度が高い。利用者の満足度でも常にトップクラスの評価を受けている。
看護roo!の最大の強みは「アドバイザーの質」。看護師としての勤務経験がある人や、医療業界に長年携わっている人が担当につくケースが多い。「3交代と2交代のどちらがいいか」「急性期と慢性期でキャリアパスがどう変わるか」——こうした看護師特有の相談に、的確に答えてくれる。
求人数は約8万件で、そのうち約50%が非公開求人。つまり、公開されていない好条件の求人が4万件以上あるということだ。
利用者のWさん(32歳・女性・急性期病棟)は「看護roo!のアドバイザーが、気になる病院の”ナースの離職率”や”残業の実態”を詳しく教えてくれた。求人票には書いていない情報が聞けたのが一番ありがたかった」と話していた。
もう一つ評価したいのは、看護roo!の「円満退職サポート」。退職の切り出し方や引き止められたときの対応方法まで相談に乗ってくれる。看護師の職場は人間関係が密だから、退職を切り出すのに苦労する人が多い。このサポートはかなり心強い。
注意点としては、地方によってはアドバイザーの数が少なく、対応が遅くなることがある。首都圏・関西圏の人は問題ないけれど、地方で転職を考えている人は、2社目のサイトも併用したほうがいい。
第2位: レバウェル看護 — 求人数トップ。情報量の豊富さが圧倒的
レバウェル看護(旧レバウェル看護求人)は、求人数14万件以上と業界最多。とにかく多くの選択肢から選びたい人に向いている。
レバウェル看護の特徴は、求人ページに掲載されている「職場の情報量」が圧倒的に多いこと。病院の口コミ、ナースの定着率、残業の実態、人間関係——こうした情報が求人ページに載っているので、応募前に「この病院はどんな雰囲気か」がわかる。
給与面でも、レバウェル看護は「年収の交渉」をかなり積極的にやってくれる。ある調査では、レバウェル看護経由で転職した看護師の約65%が前職より年収アップしているというデータがある。
利用者のXさん(28歳・女性・訪問看護)は「レバウェル看護で訪問看護ステーションに転職した。年収が450万から520万に上がって、残業もほぼゼロになった。アドバイザーが”この訪問看護ステーションはオンコールの回数が少ない”という情報を教えてくれたのが決め手だった」とのこと。
注意点は、求人数が多いぶん「質にバラつきがある」こと。アドバイザーに希望条件をしっかり伝えて、フィルタリングしてもらうことが大事だ。
第3位: マイナビ看護師 — 面接対策の手厚さはNo.1
マイナビ看護師は、人材大手マイナビが運営する看護師転職サイト。ブランド力と面接対策の手厚さが売りだ。
マイナビ看護師の強みは「面接対策」。アドバイザーが過去の面接データを蓄積しており、「この病院の面接では必ずこの質問が出る」「この病院の面接官はこういう回答を好む」——こうした具体的な対策を教えてくれる。
面接に不安がある人、特に転職が初めての看護師にとっては、この面接対策の手厚さは大きなメリット。模擬面接も実施してくれるので、本番で緊張しにくくなる。
求人数は約5万件と、看護roo!やレバウェル看護よりやや少ないけれど、大手病院や企業内看護師などの「人気求人」はマイナビ看護師に集まりやすい傾向がある。
第4位: ナースではたらこ — 「逆指名」制度が画期的
ナースではたらこの最もユニークな機能が「逆指名」だ。自分が働きたい病院やクリニックを指定すると、アドバイザーがその病院に求人がないか確認してくれる。
通常の転職サイトでは「今ある求人の中から選ぶ」のが基本だけど、逆指名なら「求人が出ていない病院にもアプローチできる」。「自宅から通いやすいあの病院で働きたい」「評判が良いあのクリニックに入りたい」——こういう希望がある人に、ナースではたらこはぴったりだ。
実際に逆指名で転職が決まるケースは全体の約15%だそうだけど、成功すると「自分が本当に行きたかった職場で働ける」という満足度の高い転職になる。
第5位: ジョブメドレー看護 — 「自分のペースで」探したい人向け
「転職サイトに登録したら電話がジャンジャン鳴る」——これが嫌で転職サイトに登録するのをためらっている看護師は多いと思う。
ジョブメドレー看護は、この問題を解決するスカウト型のサービス。アドバイザーからの電話営業はなく、自分で求人を検索して応募するスタイル。企業側からスカウトメールが届くこともあるけれど、電話でしつこく連絡がくることはない。
「マイペースに転職活動をしたい」「まだ本格的に転職するかは決めていないけど、求人は見ておきたい」——こういう段階の人にジョブメドレー看護は向いている。
ただし、アドバイザーのサポートがない分、求人の良し悪しは自分で判断する必要がある。転職経験がない人やサポートが欲しい人は、看護roo!やレバウェル看護と併用するのがおすすめだ。
看護師転職の「リアルな年収事情」
看護師の平均年収
2026年の看護師の平均年収は約508万円(厚労省「賃金構造基本統計調査」に基づく推計)。ただし、勤務形態や地域によって大きく異なる。
| 勤務形態 | 平均年収 | 備考 |
|---|---|---|
| 病院(夜勤あり) | 520万〜580万円 | 夜勤手当が大きい |
| 病院(日勤のみ) | 400万〜450万円 | 外来、手術室など |
| 訪問看護 | 480万〜550万円 | オンコール手当含む |
| クリニック | 380万〜430万円 | 残業少なめ |
| 企業内看護師 | 450万〜550万円 | 土日祝休み |
| 美容クリニック | 450万〜600万円 | インセンティブあり |
| 介護施設 | 400万〜470万円 | 夜勤手当で差がつく |
年収を上げるための3つの方法
方法1: 夜勤ありのポジションを選ぶ
夜勤手当は看護師の年収に大きく影響する。夜勤1回あたりの手当は平均1.1万円〜1.5万円。月に4〜5回の夜勤で年間約60万〜90万円の差が出る。
方法2: 専門・認定看護師の資格を取る
専門看護師や認定看護師の資格を持っていると、月額5,000〜2万円の資格手当がつく病院が多い。年間で6万〜24万円のアップ。
方法3: 管理職(師長・主任)を目指す
看護師長の年収は600万〜700万円、看護部長は700万〜900万円。ただし、管理職になると現場から離れることが多く、「看護がしたい」人にとっては悩ましい選択肢でもある。
あなたは今の年収に満足しているだろうか? 同じ看護師でも、勤務先や勤務形態を変えるだけで年収が100万円以上変わることは珍しくない。
看護師転職で「失敗しない」ための5つのポイント
ポイント1: 「なぜ転職するのか」を明確にする
「今の病院が嫌だから」だけでは、転職先でも同じ不満を抱える可能性がある。「残業が多い」なら残業時間の上限を決める。「人間関係が辛い」なら、チームの雰囲気を重視した病院選びをする。転職の「軸」を明確にすることが大事。
ポイント2: 求人票だけで判断しない
前述のとおり、求人票と実態には乖離がある。転職サイトのアドバイザーに「残業の実態」「有給消化率」「離職率」を必ず確認しよう。可能であれば、病院見学を申し込むのもいい。
ポイント3: 複数のサイトに登録する
看護師転職サイトは、最低2社には登録することをすすめる。サイトによって扱っている求人が違うし、アドバイザーとの相性もある。1社目のアドバイザーと合わなくても、2社目で良い担当者に出会えることは多い。
ポイント4: 「お礼奉公」の残り期間を確認する
奨学金制度を利用して看護学校を卒業した場合、「お礼奉公」として一定期間(通常3〜5年)の勤務義務があることがある。お礼奉公の期間中に退職すると、奨学金の返還を求められるケースがある。転職前に必ず確認しておこう。
ポイント5: 転職のタイミングを考える
看護師の求人が最も多いのは1〜3月(4月入職に向けた採用)と7〜9月(10月入職に向けた採用)。このタイミングに合わせて転職活動を始めると、選択肢が広がる。
体験談: 転職サイトを使って転職した看護師のリアル
Yさん(34歳・女性): 大学病院 → 訪問看護ステーション
「大学病院で10年働いたけど、夜勤と残業の連続で体がボロボロだった。看護roo!に登録して、訪問看護の求人を紹介してもらった」
「年収は540万から510万にやや下がったけど、残業がほぼなくなった。何より、患者さん一人ひとりとじっくり向き合える時間が増えて、看護師としてのやりがいを取り戻せた。もっと早く転職していればよかった」
Zさん(26歳・女性): 中小病院 → 美容クリニック
「夜勤がどうしても体に合わなくて、日勤のみの職場を探していた。レバウェル看護で美容クリニックの求人を紹介された」
「最初は”美容クリニックって看護師としてのキャリアにならないんじゃ”と不安だったけど、アドバイザーが”最近は美容医療の需要が伸びていて、経験を積めば年収600万以上も狙える”と教えてくれた。実際、転職して1年で年収が380万から480万に上がった」
よくある質問Q&A
Q: 転職サイトに登録するとしつこく電話がかかってくる?
サイトによる。看護roo!やレバウェル看護は、最初のヒアリング時に連絡頻度の希望を伝えれば、無駄な電話は減る。それでもしつこい場合は担当者の変更を依頼するか、ジョブメドレー看護のような電話なし型のサイトを使おう。
Q: 今の病院に知られずに転職活動できる?
できる。転職サイトに登録しても、今の病院に情報が漏れることはない。アドバイザーに「現職に知られたくない」と伝えておけば、配慮してくれる。
Q: 引き止めにあったらどうすればいい?
看護師は人手不足だから、退職を申し出ると高確率で引き止められる。「辞めるな」と言われても、退職は労働者の権利。就業規則に従って退職届を提出すれば、法的に退職は成立する。アドバイザーに相談すれば、退職交渉のアドバイスもくれる。
まとめ——「良い求人」は転職サイト選びで決まる
看護師の求人はたくさんある。でも「良い求人」を見つけるには、信頼できる転職サイトを使うことが不可欠だ。
ランキングを振り返ると——
- 1位: 看護roo!(サポートの質No.1。まず登録すべき)
- 2位: レバウェル看護(求人数最多。情報量が豊富)
- 3位: マイナビ看護師(面接対策に強い)
- 4位: ナースではたらこ(逆指名で希望の病院にアプローチ)
- 5位: ジョブメドレー看護(電話なし。マイペース派向け)
今日からできるアクション
- 看護roo!に登録する(サポート重視の王道)
- 2社目にレバウェル看護かマイナビ看護師を登録する(求人の比較用)
- アドバイザーに「希望条件」を具体的に伝える(年収、夜勤の有無、残業時間、エリア)
- 気になる病院の「離職率」と「残業の実態」を必ず確認する
- 転職の「軸」を紙に書き出す(何が嫌か、ではなく、何がしたいか)
看護師としてのスキルや経験は、どの職場でも必要とされている。今の環境が合わないなら、もっと自分に合った場所は必ずある。まずは情報収集から始めてみてほしい。




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