試用期間中に転職してもいい?【退職方法・リスク・成功のポイント完全ガイド】

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「入社してまだ2ヶ月だけど、もう辞めたい。でも試用期間中に辞めるなんて、社会人としてアウトじゃないか……」

試用期間中の退職について相談を受けるたびに、この葛藤を抱えている人がとても多いと感じる。「辞めたら次の転職に響くんじゃないか」「試用期間中って法律的に辞められるのか」「上司に何て言えばいいのか」——不安だらけで動けなくなっている。

先に結論を言うと、試用期間中でも退職は法律上まったく問題ない。ただし、実務面ではいくつか気をつけるべきことがある。そして何より大事なのは、「辞めるべきケース」と「もう少し頑張ったほうがいいケース」の見極めだ。

この記事では、試用期間中の退職について、法律・実務・転職活動への影響の3つの観点から掘り下げて解説する。

試用期間とは?——法律上の位置づけと注意点

試用期間の法的な意味

まず基本的なところから。試用期間とは、企業が従業員の適性を確認するための期間。一般的には1〜6ヶ月が多く、最も一般的なのは3ヶ月だ。

法律的には、試用期間中の労働者は「解約権留保付きの労働契約」にあるとされている。これは「企業側が一定の条件のもとで契約を解除できる権利が留保されている」という意味。ただし、企業が自由に解雇できるわけではなく、「客観的に合理的な理由」がなければ解雇は無効になる(労働契約法第16条)。

では従業員側はどうか。従業員の退職は、試用期間中であっても民法第627条に基づき、原則として退職の申し出から2週間で成立する。つまり「試用期間中だから辞められない」は法的には間違いだ。

就業規則の「退職申し出期限」に注意

ただし、多くの企業の就業規則には「退職する場合は1ヶ月前に申し出ること」などの規定がある。法律上は2週間で退職できるけれど、実務的にはこの就業規則に従って手続きするのが穏便。

とはいえ、心身の健康に深刻な影響が出ている場合は、就業規則より法律が優先する。パワハラや違法な長時間労働がある場合は、2週間で退職しても法律上の問題はない。

「法律では2週間」「就業規則では1ヶ月前」——この2つの違いを頭に入れておくと、退職のタイミングを考えるときに判断しやすくなる。

試用期間中に辞めるべきケースと辞めないほうがいいケース

辞めるべき5つのケース

正直、以下のケースに当てはまるなら試用期間中でも辞めて問題ないと思う。

1. 求人票や面接と、実際の業務内容が大きく異なる

「マーケティング職と聞いて入ったのに、やっていることはひたすらテレアポだった」——こういうケースは実際に多い。求人票との乖離が大きい場合、それは企業側の問題だ。

2. ハラスメント(パワハラ・セクハラ)がある

試用期間だろうが何だろうが、ハラスメントのある環境にいる必要はない。証拠(メール・録音・メモ)は残しておいたほうがいい。

3. 労働条件が契約内容と違う

「土日休みのはずが土曜出勤が常態化している」「残業代が出ると言われたのに、固定残業代に含まれていた」——こうした労働条件の不一致は、退職の正当な理由になる。

4. 心身の健康に影響が出ている

不眠、食欲不振、出社前に体が動かない——こうした症状が出ていたら、まず病院に行ってほしい。そして、診断書をもらった上で退職を検討する。

5. 直感的に「この会社は長くいられない」と確信している

感覚的な話だけど、「この会社はダメだ」と直感で感じるケースは、たいてい合っている。特に社内の雰囲気(先輩社員がみんな疲弊している、離職率が異常に高いなど)に違和感を感じたら、早めに動くのも手だ。

もう少し頑張ったほうがいい3つのケース

一方、以下のケースは「もう少し様子を見たほうがいいかもしれない」というもの。

1. 仕事に慣れていないだけ

入社1〜2ヶ月は、誰だって仕事ができない。それは当たり前のこと。「できない自分が情けない」と感じるのは、適応期間の正常な反応だ。3ヶ月〜半年は様子を見ていいと思う。

2. 人間関係に馴染めていないだけ

新しい環境での人間関係は、最低でも3ヶ月はかかる。「同僚と話が合わない」「ランチに誘われない」程度なら、時間が解決することも多い。

3. 「隣の芝生は青い」状態

転職サイトを見て「他の会社のほうがよさそう」と感じるのは、新しい環境に適応中の人なら誰でも思うこと。今の会社の嫌な部分が目についているだけかもしれない。

あなたの状況は、上の5つのケースと3つのケース、どちらに近いだろうか?

試用期間中の退職方法——具体的な手順

ステップ1: まず「退職の意思」を固める

中途半端な気持ちで退職を切り出すと、上司に引き止められたときに揺らぐ。「辞める」と決めたら、その決断はブレないようにしておく。

辞める理由を紙に書き出してみるのがいい。感情的な理由(「上司がムカつく」)だけでなく、客観的な理由(「求人票と業務内容が異なる」「残業が月80時間を超えている」)を整理しておくと、退職の話し合いで冷静に対応できる。

ステップ2: 直属の上司に口頭で伝える

退職の意思表示は、まず直属の上司に口頭で行うのが基本。メールやチャットではなく、対面(またはオンライン面談)で。

切り出し方の例:

「お時間をいただきありがとうございます。大変申し訳ないのですが、退職を考えております。入社後に自分の適性と業務内容のミスマッチを感じており、このまま続けてもお互いにとって良くないと判断しました」

ポイントは感情的にならないこと会社の悪口を言わないこと。理由は簡潔に、「ミスマッチ」という言葉を使うと角が立ちにくい。

ステップ3: 退職届を提出する

上司の了承を得たら(了承を得られなくても退職は可能だけど)、退職届を提出する。就業規則に所定の書式があればそれを使い、なければ自分で作成する。

退職届に書くべき内容:
– 退職日(上司と相談の上、決定した日付)
– 退職理由(「一身上の都合」でOK。詳しい理由を書く必要はない)
– 提出日
– 自分の署名・捺印

ステップ4: 引き継ぎと退職手続き

試用期間中の場合、引き継ぐ業務が少ないことが多い。それでも、自分が担当していた業務は丁寧に引き継ぐのが社会人としてのマナーだ。

退職時に受け取るもの:
– 離職票(失業保険の申請に必要)
– 源泉徴収票(年末調整に必要)
– 健康保険資格喪失証明書
– 年金手帳(会社に預けている場合)

試用期間中の退職で「即日退職」は可能か?

原則として、即日退職は「会社が合意した場合」のみ可能。会社が合意しなければ、最低でも2週間は在籍する必要がある。

ただし、以下の場合は即日退職が認められる可能性がある:
– 心身の疾患で就労が困難(診断書があると強い)
– ハラスメントが確認されている
– 契約内容と著しく異なる労働条件

試用期間中の退職が「次の転職」に与える影響

履歴書に書くべきか?

結論から言うと、書くべきだ。

「試用期間中に辞めた会社は履歴書に書かなくていい」という俗説があるけれど、これは正確ではない。雇用保険の加入記録が残るため、入社後に発覚するリスクがある。経歴詐称とみなされると、内定取り消しや解雇の原因になりかねない。

短い在籍期間でも正直に記載し、「なぜ短期間で辞めたのか」を前向きに説明できるようにしておくほうが、長い目で見てリスクが低い。

転職活動への影響——正直、マイナスはある

試用期間中の退職が転職で不利にならないかと聞かれれば、正直「多少の不利はある」というのが現実だ。

面接官が気にするのは主に2点:
1. 「また短期間で辞めるんじゃないか」
2. 「何か問題がある人じゃないか」

ただし、これは「致命的なマイナス」ではない。理由をきちんと説明できれば、大半の面接官は理解してくれる。特に「求人票と実態が違った」「ハラスメントがあった」などの理由は、面接官も「それは仕方ない」と判断するケースが多い。

退職理由 面接官の受け止め方 伝え方のコツ
業務内容のミスマッチ 比較的理解される 「入社後に〇〇と感じ、自分の適性は△△にあると気づいた」
ハラスメント 理解される 事実を簡潔に。詳細を語りすぎない
労働条件の相違 理解される 「契約内容と実態に乖離があった」で十分
人間関係の不和 やや懸念される 「チームとの方向性の違い」など抽象的に
「なんとなく合わない」 懸念される これは避ける。もっと具体的な理由に置き換える

あなたが試用期間中の退職を考えているなら、「次の面接でどう説明するか」をセットで考えておくことが本当に大事だ。

試用期間中の退職でよくあるトラブルと対処法

トラブル1: 「辞めさせない」と言われた

法律上、企業は従業員の退職を拒否する権利を持っていない。「人手が足りないから」「後任が見つかるまで」と言われても、退職届を提出すれば2週間後に退職は成立する。

もし上司が退職届を受け取ってくれない場合は、人事部に直接提出するか、内容証明郵便で送付する方法がある。

トラブル2: 退職金は出るのか?

試用期間中の退職で退職金が出ることは、ほぼない。退職金規程に「勤続○年以上」と定められていることが多く、試用期間中では条件を満たさないのが通常だ。

トラブル3: 有給休暇は使えるか?

入社から6ヶ月経過していなければ、法定の有給休暇は発生していない。ただし、企業によっては入社日から有給を付与する制度がある場合もあるので、就業規則を確認してほしい。

トラブル4: 損害賠償を請求すると脅された

「急に辞めたら損害賠償を請求する」と言われるケースがまれにある。結論から言うと、通常の退職手続きを踏んでいれば損害賠償が認められることはまずない。ただし、不安な場合は労働基準監督署に相談するのが確実だ。電話相談は無料で受けられる。

体験談: 試用期間中に辞めたその後

ケース1: 入社3週間で辞めたCさん(28歳・男性)

中途入社でIT企業に転職したCさん。入社初日からOJTもなく、マニュアルもない状態で「とりあえずやって」と放置された。3週間粘ったけど、毎日何をすればいいかわからない状態に限界を感じて退職を決意。

退職後、エージェントに相談したところ「試用期間中の退職は確かにマイナスだけど、理由が明確なら大丈夫」と言われ、2ヶ月後に別のIT企業に内定。「入社3週間」の経歴は正直に履歴書に書いたそうだけど、面接では「受け入れ体制に問題があった」とシンプルに説明したらすんなり理解してもらえたとのこと。

ケース2: 試用期間満了の1ヶ月前に辞めたDさん(32歳・女性)

コンサルファームに転職したDさん。仕事自体は興味があったけど、上司のパワハラが深刻だった。毎日のように全員の前で叱責され、メールでも人格否定のような文面が送られてくる。

「試用期間が終わるまで頑張ろう」と思っていたけど、心療内科で「適応障害」と診断され、試用期間満了の1ヶ月前に退職。その後3ヶ月間は療養し、体調が回復してから転職活動を再開。別のコンサルファームに転職し、「今の会社は人間関係も良く、前の会社で早めに辞めた判断は正しかった」と話していた。

退職代行を使うべきか?

退職代行のメリット・デメリット

「上司に退職を言い出せない」「もう会社に行くのも辛い」という場合、退職代行サービスを使うのも一つの手だ。2026年時点での退職代行の費用相場は2万〜5万円程度。

項目 メリット デメリット
精神的負担 自分で言わなくていい
手続き 代行が全部やってくれる 引き継ぎが不十分になりがち
費用 2万〜5万円かかる
印象 会社側の心証は悪くなる可能性

退職代行を使う場合は、弁護士監修のサービスか、労働組合が運営するサービスを選ぶのが安全。格安の代行業者の中には、交渉権限がなくてトラブルになるケースもあるので注意が必要だ。

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まとめ——試用期間中の退職は「逃げ」じゃない

試用期間中に辞めることは、決して「逃げ」ではない。合わない環境で無理を続けて心身を壊すほうが、よほど大きなリスクだ。

ただし、衝動的に辞めるのではなく、以下のポイントを押さえてから動いてほしい。

  • 法律上、退職届を出せば2週間で退職は成立する
  • 試用期間中の退職は履歴書に記載する(隠さない)
  • 次の面接では「前向きな理由」に転換して説明する
  • 辞めるべきケースと、もう少し頑張るべきケースを冷静に見極める
  • できれば在職中に次の転職先を決めてから退職する

今日からできるアクション

  1. 自分の状況を客観的に整理する: 辞めるべき5つのケースに当てはまるか確認
  2. 転職エージェントに相談する: 試用期間中でも相談OK。現状を伝えてアドバイスをもらう
  3. 就業規則を確認する: 退職の申し出期限、有給休暇の付与条件をチェック
  4. 退職後の生活費を計算する: 最低3ヶ月分の生活費があるか確認(在職中に転職が理想)
  5. 必要なら医療機関を受診する: 心身の不調があれば、まず診断を受ける

試用期間中の退職は、人生において「ちょっとした寄り道」にすぎない。大事なのは、その経験から何を学び、次にどう活かすかだ。


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